4年生大学
さて、海外で大学に行かれた方という場合の大半が4年生の大学にいかれたというケースのようです。ただしその大学に入る前には日本でいわゆる「普通」の受験生の一人だったというケースがこれまたその中の大勢を占めます。この場合、平均的にはどのくらいのレベルになってかえってくるのでしょうか?
- このいわゆる代表的とも言えるケースの方々と実際に会ってお話しできる機会はそれほど多くはありませんので今回のインタビューは、その意味でも、大変有用でした。ざっとまとめてみましょう。
- 一通りの自己表現はそこそこ言える。受け答えもそこそこ自然。こちらの質問の意味を取り間違える、理解できないと言うことはほとんどない。
- ただ、表現の幅はまだかなり狭い。自分が勉強してきた分野の経験については比較的よくお話になるが、他分野のことをopen questionで聞くと途端にしたが止まると言うこともよくみられる。複雑な文法表現を自然に使うなぁ、という印象を持った人は殆どおらず大勢が比較的単純な文章の連続になる。
- 特に表現の仕方をTPOで使い分けると言うことはほとんどできない、あるいはしようとしていない、もしくはその必要性もあまり分かっていないというケースがよくみられる。学生同士の間でおそらく気軽に使ってきたであろう「親しみのある」口語表現のなかには面接などを含む比較的フォーマルな場では使わないようなものもあるが、そのへんのTPOには弱い。
- 発音・イントネーションは以前にも言ったとおり非常に個人差が大きいので一概には言えないが、聞く限り、いわゆるネイティブの発音であるということは皆無。でもこれは当たり前で別に気にする必要はない。むしろその辺りを意識しすぎた発音になっている(特に女性に多い)人もいるがこれは印象面でマイナス。
- と、まあ、こんな感じですが、ではTOEICでいえばどのくらいのレベルか?私の「実力 vs TOEIC」チャートも参考にしながら言えば、ほぼ2級の辺り、すなわりTOEICで800点から、人によっては900点を超えた辺りまでの人たちといえそうです。事実、彼らの履歴書を見るとその辺りの点数を書いておられる方が多勢であったようです。
- ということで4年間の海外での大学生活が英語学習の面で意味があったかといえば「あり」ですね。すくなくとも将来ビジネスの世界で使おうとすれば、いわゆる入り口の部分のスキルは出来ているわけでおまけにそれを20才そこらの若さで身につけられたという意味では大きいと思います。
- ただこれ、あくまでも英語のskillという意味でのお話ですが。